ORGANISERS
誰が走らせていたのか
走行会には主催者がいる。20年経って調べ直すと、その多くが記録から消えかけていた。
映像には車しか映らないが、その日を成立させていたのは主催者だ。誰が場所を押さえ、誰が枠を売り、誰が走行前のミーティングをやったのか。調べ直すと、そこが最も早く消えていく情報だと分かった。
欧州
ポルシェツェントルム・インタール(PZ INNTAL)
ムジェロ、ミザノ、A1リンク、フィンランドの雪上と、参加回数がいちばん多かった主催者。PSCDS(ポルシェスポーツドライビングスクール)を主催し、レース参加に非常に熱心なディーラーだった。GTPウィークエンドにも大量の車両を送り込んでいる。
ここは単なるイベント主催者ではなく、993GT2 M003の納入元でもあった。ツッフェンハウゼン工場引き取りで、このディーラーへ出荷された車両である。1996年5月のミザノDS(納車直後・慣らし中)への参加は、その購入の延長線上にあった。
GTPレース
FIA公認のレースで、耐久/スプリント/等速(自己申告タイムとの差で順位を決める)/356CUPの4本立て。各ポルシェクラブがオーガナイズしていて、シュヴァーベン(シュツットガルト)やニュルブルクリンクなどに分かれる。耐久はルマンさながらの車両が出走した。
正式には Porsche Club Deutschland 系の「GTP-Weekend」(複数クラブによる主催者共同体、年10〜12回開催)として実在が確認できた。「GTP」という略称の由来は分かっていない。
ポルシェセンター/ポルシェクラブ主催
エッセン(ニュルのトレーニングと有料フリー走行)、レネタール(2000年5月3日のPSCDS)、ポルシェクラブ・エッセン(ニュル北のDS)、そしてポルシェ社本体主催のDS(ホッケンハイム・ショート)。
CLUB EUROPA
ポールリカールでの練習走行とレース。気温35度を超える南仏で15周のレースをやった。当時の記憶では「ポルシェクラブフランスの走行会の、はぐれもの集団」という位置づけだった。
調べ直したところ、その表現は実態と正確に一致していた。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 登記名 | PORSCHE CLUB EUROPA |
| 法的形態 | フランス1901年法に基づく届出協会 |
| 設立 | 1988年 |
| 所在地 | ブルゴーニュ地方 コート=ドール県 |
| 会員 | 約100名、複数国籍 |
| 現況 | 登記上は現存するが実質休眠。公式サイトのドメインは消滅 |
「サーキット活動がまだ発達していなかった時代に、ポルシェ好きがフランスおよび国外の最も美しいコースを走る夢を実現するため」に発足した、と主催者側は説明している。プライベート選手権、練習走行、非会員にも開放するトラックデーを2日間、という形式だった。
そしてポルシェAGの公認クラブではない。AGの公認クラブ一覧にも、Porsche Clubs France連盟の29クラブにも載っていない。フランスでFFSAとの「club racing」の枠組みが正式に発足したのは2008年で、1998年時点でポルシェクラブ側に公認クラブレースの枠組みは存在しなかった。公式体制の外側で、独自にレースを開催していた独立クラブ——というのが正体だった。
運営拠点は、同じ住所にあるポルシェ専門の整備工房だった。1985年設立で現在も営業している。「ドイツ的要素」は組織ではなく人のほうにあり、ブルゴーニュに拠点を置くドイツ系一族が主宰するフランスの協会、という構図になる。ドイツ在住の日本人が参加していたことと符合する。
1998年3月15日、Circuit du Vigeant でのCLUB EUROPAイベントの写真記録が個人サイトに現存している。写っているのは993GT2、964カレラRS、993カレラRS、フェラーリ・テスタロッサ512TR、そして現存7台中3台のヴァンチュリ500 LM。「当時すごい車が来ていた」という記憶と、車種構成が完全に符合した。
ホッケンハイム ドリフト大会(2000年)
アマチュア部門を含むオープンな大会。ベンツ190E 2.5-16V、BMW 318、ロータス エラン、ベンツEクラス、アルファ ジュリア、ポルシェ993、ベンツSL、ジャガーXJR、インプレッサ、BMW 02、バイパー、993ターボ、ランエボ4/5、コルベット、ボクスター、オペル マンタ——車種の幅がとにかく広かった。
国内
ADVANCE(アドバンス)走行会
主催は横浜のチューニングショップ。NSXのチューニングで知られる店で、走行会にNSXが多数参加しているのはそのためだ。旧富士の時代から新富士まで、国内ではいちばん参加回数の多い走行会だった。掲示板コミュニティがあり、7年のブランクを経た書き込みにも反応が返ってきている。
ただし現行サイトに残っている記録は2016年以降のみで、1990年代の記録は当事者に聞くしか経路がない。
RUSH CUP
関西発のレース形式イベント/走行会。2002年5月頃にレース形式でスタートし、2003年には鈴鹿でタイムアタック形式のイベントを開催した。その後、岡山での走行会や鈴鹿での耐久シリーズへ発展し、ポルシェのワンメイク耐久シリーズにつながっていく。
その他
- 鈴木塾(鈴鹿・2004年9月) — 改修後のコースに対応するための走行
- 思いっきり走行会(SUGO) — 1:37台から1:36台へ
- PCJカップ(SUGO) — 2005年7月10日 第3戦Nクラスのリザルトを、自分のタイムの参照基準に使った
- ポルシェパレード(鈴鹿) — 主催者の許可のもと、2名乗車での同乗走行
※ 現存する組織・私人の連絡先および個人名は、このサイトには掲載していません。
出典: 走行ログ No.1 / 2 / 3 / 4 / 6 / 7 / 8 / 9 / 15 / 16 / 18 / 19 / 21 / 22 / 26 / 28–34 / 36 / 47 / 50–54 / 61–66 / 71 / 72 / 74 + 公開登記情報・RacingCircuits.info